珈琲が上手に淹れられたとか
きょうのお味噌汁はおいしくできたよ、とか
そんな「日々の小さなこと」を大切にして暮らす、康平さんと理絵さん。
「結婚」という次のステップが
ふたりの人生にすごく自然な流れでやってきたからこそ
「日常の一部」として自然体の結婚式をあげたい、と願っていたおふたりです。
初めてお会いした日、照れながら見せてくれた
2ページにわたる自主製作のレポート(!)からは、
穏やかだけど、熱くて明確な想いが溢れていました。
等身大の結婚式。
日常のなかの、ほんの少し特別な日。
ふたりの目指すものがすぐにわかって
きっといいパートナーになれる、そう感じたことを覚えています。
ふたりの日常に、豪華な絨毯やきらびやかなシャンデリアはありません。
ましてやスマートな黒服スタッフに囲まれてなんていません。
お庭があって、風を感じることができて、自然の音が聞こえる場所がいい
そう願う二人にご提案したのは、琴海にある「海の家あかさき」。
目の前に海が広がり、芝生があって、おいしいごはんがある場所。
お庭にもテーブルを置いて
まるでガーデンパーティのような結婚式を目指しました。
きっと青空と風が心地いい結婚式になるね!と
そんなことを想像しながら準備を進めてきたふたり。
ご家族には不安もあったそうですが
「大丈夫!きっといいものになるから!」そう説得しました。
そして迎えた結婚式当日は・・・雨でした。
お庭を諦めて、急遽すべてを室内で行うことに変更。
ご家族も「ほら心配した通り…」と心配そうな表情をしていました。
でもね。
まさかこれが、あんなにあたたかい結婚式につながるなんて…と
今振り返ると、お天気さえも本当は味方だったんじゃないかと思えます。
「ここで結婚式なんだ!」「ふたりらしいね。」
そんな言葉を交わしながらゲストが続々と到着。
大切な皆さまに囲まれた中で、ふたりは人前挙式を行いました。
誓いの言葉を読み始めてすぐ、涙が止まらなくなったふたり。
それを見て涙ぐむご家族や、笑顔で見守るご友人たちに
「ああ、すっごく愛されているなあ」って
わたしも司会をしながら、涙目に。
すべての海の家の中で行うことになったため
会場はすこしだけぎゅうぎゅう詰めでしたが、とっても温かい雰囲気。
ウクレレとハーモニカの生演奏がより場を彩ります♫
海が見える場所にはきっとウクレレの音色が合う!と話し
わざわざこの日のために北九州からお越しいただきました。
ふたりとゲストの距離がとっても近くて、
ひとりひとりの顔をしっかりと見渡せることができていて
まるでホームパーティのように、自然体で会話が弾んでいました。
新郎新婦も大きく口をあけてごはんをパクリ。
そしてお料理がいちばんの魅力でもある、この場所。
この日も 雨にも負けず、missiさんの美味しそうな料理がいっぱいで
ビュッフェもBBQもどんどんお料理が減っていきました。
豪華なフルコースじゃないけど、ふたりのおもてなしの心が伝わるお料理。
それって、結婚式でいちばん大切なことのように感じます。
ビュッフェ料理だったので、一気にみんなが押し寄せないよう
前菜のパニーニは小さなお弁当箱に入れてひとりひとりに。
ほんの少しの気配りで、ビュッフェ料理もぐんと楽しめます。
結婚式の準備期間には、
眠れなくなるほど話しあったという康平さんと理絵さん。
ふたりして興奮して、まるで遠足の前日のようだった と聞いた時
この結婚式は絶対にいいものになる、とおもいました。
季節のフルーツで焼いてもらったタルトへの入刀。
恩師やご友人からの、笑いがいっぱいの楽しいスピーチ。
奏者さんたちからお子様への(即席)音楽教室まで、
みんなの笑顔にあふれた自由な雰囲気の結婚式。
ふたりも家族も自由に動いて
好きな人と好きなように過ごし、好きなようにごはんを食べ
やっぱりまるで結婚式というよりもホームパーティのようでした。
みんなからのあったかいスピーチも
楽しませようと準備をがんばったふたりからの出し物も
小さなゲストからの可愛い「ソーラン節」の余興も
ふたりからそれぞれのご家族への手紙も
ご家族からふたりへのエールも
あったかいハグも。
もうなにもかもが愛に溢れていました。
今までの結婚式の中で、もしかしたらいちばん
『この場にいるみんなでつくった』という感覚になった結婚式のような気がします。
結婚式はふつう、新郎新婦が
「ゲストにとって楽しい日になるように」と願って準備をします。
もちろんふたりもその気持ちでこの日まで準備をしてきました。
でもこの日は、その気持ちにプラスして
ゲストのみんなが「ふたりにとって最高の日になるように」と願い
一緒になって楽しみ、よろこび、笑い、涙を流してくれました。
きっとそれは、雨のおかげでもありました。
雨が降って少しだけ落ち込んでいるであろうふたりを
悲しませたくない!喜ばせたい!楽しませたい!と
ゲストみんなが『新郎新婦を思う気持ち』が集まったんです。
それはふたりの人生の縮図でした。
ふたりがこれまでまわりのひとを心から大切にしてきたからこそ
みんなにとってもふたりの結婚式が最高の日になるよう心を寄せたんです。
始まる前、少しだけ心配そうだったお父さんが
満面の笑顔で「とってもいい結婚式でした」と
謝辞をしてくださったとき、ほっと肩の荷がおりました。
きっとこのご家族にとって「日常の中の良き日」になれたんじゃないかな、って。
small things。
日常の小さなことも大切にするふたりのとっておきの日。
本当に本当にいい日でした。
わたしにとっても。
▼PARTY DATA▼
STYLE:着席 パーティ
FOOD:ビュッフェ
GUEST:親族・職場・友人 約70名
LOCATION:長崎市内 海の家