2023年5月23日。
ニーナマリアージュを開業して丸10年が経ちました。
ニーナのキーワードは 2013年の独立当初からずっと変わることなく「ラスティック」。
ラスティックとは、素朴な、田舎風の、という意味です。
10年間、ニーナのことを支持してくれた素敵な新郎新婦さまのおかげで、わたしのことやニーナマリアージュのことをたくさんの方に知っていただけるようになりました。
そして「おしゃれだね」「素敵だね」だと褒められることも多くなりました。
もういい大人なので「ありがとう」と受け取ります。
だけど、ニーナが言ってもらえる「おしゃれ」とは、カルチャーの最先端や 流行ど真ん中ということではないことを、ちゃんと知っています。
どちらかといえば野暮ったいくらいなんです。
わたしは「おしゃれなひと」ではありません。
わたしは「じぶんの中の『好き』を諦めなかったひと」なだけなんです。
好きなもの。
かわいいとおもうもの。
心が踊るもの、揺り動かされるもの。
ちいさいころから、じぶんの中に 流行とは関係ない「確固たる好きな世界」がありました。
それが夢見がちだったり、いわゆる王道じゃないからこそ、悩んだり、ときには誰かに笑われたり 否定されたこともありました。
だけど、「好きなものは好き」と諦めなかった先で その世界観がかたちになったのが、ニーナマリアージュでした。
そして、似た感性の人が集まるという意味で、ニーナの花嫁さまたちも大なり小なりそうなんだとおもっています。
わたしと同じように「独特だよね」「(趣味とか服の好みが)変わってるよね」と言われたことがある人が多いんじゃないかな?と。
そんなひとたちが、右も左も分からない「結婚式」という高いお買い物を目の前にして、不安になった時に「ここならわかってくれる」と、ニーナを頼ってきてくれている。
そうやって10年間、やってきました。
もちろんいいことばかりじゃなく
「もう来年にはやめたい。」
「あと数年でニーナを閉じようとおもう。」
そんな、辞める辞める詐欺を繰り返して来た10年間でした。
なんなら一度、壮行会を開いてもらったこともあります(その節はごめん)
その時その時は、この仕事が本当に怖くて、重くて、投げ出してしまいたい気持ちでいっぱいだったんです。
だけど、結婚式がひとつ、またひとつと結びになる中で、巣立っていく新郎新婦さまから「信頼」を預けてもらっているような日々でした。
そして その信頼を裏切らないように、できる限りニーナマリアージュが二人の人生の中で誇りであれるようにと頑張っていたら、気づけば、10年続いていました。
そうして過ごしているうちに、こんなにも不完全で気分屋なわたしのもとに、神様からプレゼントされたようなスタッフたちが集まってくれました。
天性の安心感を与える笑顔と 人の気持ちを繊細に汲み取る力で、結婚式の底上げをしてくれる森山さん。
不器用だからこそ一生懸命でまっすぐで、冷静な判断力と行動力で結婚式を先導してくれる尾崎さん。
このふたりがニーナの右腕・左腕になってくれたことは、この10年で、いちばんわたしに力をくれたことでした。
他にも、必要なタイミングで、たくさんの必要なひとたちと出会い、常にニーナを支えてくれました。
その支えがなかったら、きっともう心が折れたタイミングでそっとニーナを閉じていたとおもいます。
お客さまに。
支えてくれるスタッフに。
お仕事をご一緒にしているクリエイターの皆さまに。
わたしの仕事を理解して応援してくれる家族や友人に。
恋人であり 親友でもあり 今や心強い仕事仲間でもある夫に。
10年分の感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
諸先輩たちからしたら、10年ごときでこんなにも大げさな言葉を綴るなんて、青くさいとおもいます。
だけど、わたしには長くて長くて、だけど振り返れば宝物のような10年間でした。
これからも、さらに知識と経験を積み、俯瞰で見えるものを増やしていきます。
だけど上から教えるばかりではなく、常に新郎新婦さまと同じ目線に立つことを忘れません。
そしてなによりも、わたし自身の「すき」を決して諦めません。
これからもよろしくおねがいします。
n i n a m a r i a g e
1 0 t h a n n i v e r s a r y
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